ケンゾー エステイトを代表する
ふたつのトップ・キュベ
カベルネ・ソーヴィニヨンを主体としたボルドー左岸スタイルの「藍 ai 」、メルロを主体としたボルドー右岸スタイルの「紫 murasaki」。ケンゾー エステイトが誇るふたつのトップ・キュベをご紹介します。
厳選されたキュベ
ケンゾー エステイトがあるワイルドホース・ヴァレーは、火山岩の一種、玄武岩の多い土壌。肥沃で、植物の葉緑素に必要なマグネシウムやカルシウム、鉄分などを多く含み、ミネラルに富んでいます。
また、ケンゾー エステイトの畑には、毎朝、朝靄が降り立ち、葡萄の葉に十分な朝露を残していくため、畑の葡萄樹は、スプリンクラーなどで散水せずとも、清らかな天然水だけで十分に養分を蓄えることができます。しかも、大気中に漂う埃や排気ガスといった有害な物質を、広大な森が遮ってくれるため、雑菌を一切含まない、健康で純粋な果実が育まれるのです。さらに、その畑は、海抜300~500メートルの山岳地にあり、寒暖差が激しく、引き締まった果実を育んでいきます。
そんな上質な果実から芳醇なキュベがつくられるのですが、「紫」「藍」は、そこから最も状態が良く仕上がった特上のキュベだけを厳選し、生み出されています。深みとしなやかさを併せ持つそのエレガンスこそが、トップブランドたる証です。
凝縮感のある果実が実った2020年
2020年は、例年になく暖かな冬から始まりました。この年の日照量の多さは、早くから豊作を予感させましたが、葡萄栽培のシーズンには、暑く乾燥した日が続き、平野部のワイナリーでは、干ばつで収穫量を落とすようなところもあったようです。しかし、幸いなことに、海抜の高い山間部に畑を有するケンゾー エステイトでは、明け方に立つ朝靄が、朝露という純粋な養分を葡萄樹にもたらし、起伏のある丘陵地に流れる風が、余分な湿気を乾かし、葡萄樹を健やかに育みます。その結果、陽光をたっぷりと吸収して育った葡萄樹には、非常に凝縮感のある果実が実り、見事に豊かな収穫を迎える年となったのです。
紫 murasaki 2020
高貴な果実の芳醇から伝わる
本物のエレガンス
紫屋の異名を持つ江戸時代の浮世絵師、喜多川歌麿が描く「紫」に垣間見える感性にも似て、このメルロを主体としたケンゾー エステイトのトップ・キュベ「紫」にも、繊細で嫋やかな表情が宿っています。
葡萄の生育期に好天が続いた2020年、この年に収穫された果実は、その鮮やかさと実りの良さで際立ち、「紫 2020」を、これまでになく官能的で、心ときめかす逸品へと進化させていったのです。
鮮やかな果実感を解き放ちながら、きめ細かいタンニンが滑らかに優しく口中を包み込んで、やがて穏やかな余韻を長く残していく……そんな官能的なまでのエレガンスを堪能できることでしょう。
【色合い】
果実の凝縮感を覚える赤褐色にも似た深みのあるガーネット
【香り】
ブルーベリー、ブラックベリーといった黒果実の凝縮した香りが、アーシーなミネラル感を伴いながら広がり、さらに、ココアやホワイトペッパー、シナモンなどのニュアンスが複雑に絡み合って、複層的で深みのある甘美な香りが漂います。
【味わい】
鮮やかな酸と豊かな果実味、そしてきめ細かなタンニンがバランス良く調和し、シルクのようなしなやかな口当たりを覚えます。そして口中を優しく包み込むように、深みのある味わいが広がって、やがて心地良い余韻をもたらしていきます。
藍 ai 2020
最高峰のベンチマークを塗り替える
最上級のエレガンス
歳月を重ねていく度、優しい風合いへとその表情を移ろわせていく藍染めにも似た繊細な個性が、このカベルネ・ソーヴィニヨンを主体としたケンゾー エステイトのトップ・キュベ「藍」にも秘められています。
華やかな果実香とともに、ベルベットを思わせるような滑らかなまろみある味わいが口中に染み渡り、やがて安らかな余韻をもたらして、上質なエレガンスの本質なるものを実感させてくれるでしょう。
【色合い】
鮮やかなインディゴにも思えるような深みのあるガーネット
【香り】
プラムやブラックチェリーといった成熟した黒果実の甘美な香りが広がり、それを追いかけるように、ホワイトペッパーやシナモンのニュアンスに加え、バニラ香なども複雑に絡み合って、複層的で深く華やかな香りが漂います。
【味わい】
飲み始めのアタックには、カベルネならではの力強さがあり、それでいて、口中を伝う感覚は優しく滑らかで、果実が凝縮した深みのある豊かな味わいが染み渡っていくと、やがて訪れる心地良い余韻に、得も言えぬ安らぎを覚えるでしょう。