INTERVIEW 総料理長・宮石謙氏が知る 「紫 2021」が引き出す繊細なペアリングの世界INTERVIEW 総料理長・宮石謙氏が知る 「紫 2021」が引き出す繊細なペアリングの世界

果実味、香り、旨味が
一体となるペアリング。
ミシュランシェフが語る
「紫 2021」と料理の美しい関係

国内に5店舗を構えるケンゾー エステイト ワイナリー直営店(広尾、六本木ヒルズ、銀座、大阪、祇園)と、ナパ・ヴァレーのダウンタウンにて8年連続でミシュラン一つ星を獲得する日本料理店Kenzo Napaの総料理長を務める宮石 謙氏。ケンゾー エステイト ワイナリーで提供する料理のすべてを監修するキーパーソンである宮石総料理長に、メルロ主体のトップ・キュベ「紫 murasaki」、そのニューヴィンテージである「紫 2021」の印象と、お勧めのペアリング料理などについて伺いました。

世界中の食・ワイン通が驚く、「紫」のしなやかさと繊細さ

初めて「紫」をテイスティングしたときのことを教えてください。

「紫」と出会ったのは以前働いていた日本料理店に所属していたときです。お客様に勧めていただきました。メルロ主体(※)だったので2013年ヴィンテージくらいだったでしょうか。

カリフォルニアワインといえば、果実味が豊かで香りも味わいも力強いイメージがありますが、「紫」は全く逆です。デリケートで滑らか、果実の押し出しも程良い、上品な赤ワインに感激したことを覚えています。

※「紫」は2012年ヴィンテージより、カベルネ・ソーヴィニヨン主体からメルロ主体の構成に変更しています。

料理とのペアリングという点で、「紫」にどのような印象を持っていますか?

デリケートだからこそ、料理にも繊細さが求められるワインだと感じました。私自身、長年和食を中心に手掛けていることもありますが、和食は、香りはもちろん、風味や旨味といったディテールまで手間をかけます。そんな和食の繊細さと「紫」は、まさに調和を生み出すペアリングだと思いました。

ミシュランを獲得しているKenzo Napaには世界中から食やワインに関心を持つ方がいらしていると思いますが、お客様の「紫」への印象はいかがでしょうか?

やはり繊細さに驚かれる方が多いです。ナパ・ヴァレーという土地柄もあると思いますが、Kenzo Napaにはカベルネ・ソーヴィニヨンがお好きな方が大勢いらっしゃいます。カベルネ・ソーヴィニヨンには力強さがあり、その味わいに慣れている方ほど、「紫」のしなやかさ、上品な果実味に目を見張るのです。「こんなに繊細な赤ワインがあるのか」という声を頻繁に耳にします。

「紫 2021」はひと手間かけた、果実味のある料理と好相性

「紫 2021」の印象はいかがでしょうか?

リリース直後から熟成が進んでいる印象があります。重厚感がありつつも、酸やタンニンは丸く、全体的にまろやか。例年以上に熟成後の味わいも気になるヴィンテージです。

お勧めのペアリングを教えてください。

繊細な口当たりが「紫」の持ち味ですので、シンプルに焼いたお肉よりも軽く煮込んである料理、具体的にはすき焼きのような、ひと手間をかけた料理が合います。特に、果実味のある味付けは、「紫」の魅力をより引き立てるでしょう。

また、「紫」は料理の脂や旨味をストイックに切るのではなく、調和して一体となるような印象もあります。肉の脂を「紫」が受け止めて、一緒に流れていく、そのような感覚ですね。「紫 2021」が料理の味わいを包み込むように調和する、そんなメニューをお出ししたいと考えています。

「紫 2021」とともに味わいたい
「うなぎとフォアグラ プラムの照り焼き」

その一つに「うなぎとフォアグラ プラムの照り焼き」があります。鰻とフォアグラの脂を「紫 2021」が滑らかに包み込みます。照り焼きのタレにすり潰したプラムを混ぜ込んでいますので、ジャミーな味わいの料理と相性のいい「紫 2021」とマリアージュすることでしょう。

果実感、土のニュアンス、コク深さ。直営店で味わう「紫 2021」とのペアリング

六本木ヒルズ店のコース料理で提供している
「フランス産小鳩のフリット セップ茸と栗のボルドレーズ」

直営店で提供している料理で「紫 2021」とのペアリングにお勧めを教えてください。

各店舗で「紫 2021」を際立たせる料理を提供していますが、六本木ヒルズ店のコース料理(※)でお出ししている「フランス産小鳩のフリット セップ茸と栗のボルドレーズ」をお勧めしたいです。

ジビエのような少し癖のあるお肉と「紫 2021」の相性は非常に良く、小鳩とのマリアージュも素晴らしいです。そこに、カシスを滑らかなピューレにしたソースで果汁感が醸成し、ワインとのペアリングの相性を高めています。

また、香りの良さに定評のある香茸をソースに加え、セップ茸と栗を付け合せにしています。これら食材の持つ土のニュアンスは「紫 2021」にも共通するもの。さらなるペアリングの妙をお愉しみいただけるはずです。

大阪店のアラカルトで提供している
「洋食屋さんのビーフシチュー」

大阪店のアラカルト「洋食屋さんのビーフシチュー」との相性も良いですね。どなたも一度は口にしたことのある料理だと思いますが、ケンゾー エステイトでご提供しているビーフシチューには、通常の2倍の量の赤ワインを使用しています。非常にコク深い味わいが、果実味豊かな「紫 2021」に合うでしょう。

※直営店の料理は提供を終了している場合がございます。

「紫 2021」の魅力をさらに開花させる、四季の旬な食材

春夏秋冬、それぞれの季節で「紫 2021」を合わせるなら、どんな料理がいいでしょうか?

春は、苦みを愉しむ季節です。甘辛のタレで焼いた「筍の木の芽焼き」はどうでしょうか。筍の苦みと「紫 2021」の果実感が合いますね。

夏と冬は脂のある食材がいいでしょう。夏は「鰻の蒲焼き」と合わせていただきたいです。Kenzo Napaでも「紫」と「鰻の蒲焼き」をペアリングでご提供しています。鰻の脂や甘辛いタレと「紫 2021」が渾然一体となり、もう一段上の芳醇なペアリングを体験できるでしょう。

冬は甘みを効かせた料理、例えば「鴨の治部煮」をお勧めしたいですね。甘みのある味付けも、柔らかな鴨肉も、丸みのある味わいの「紫 2021」と相性抜群です。

秋は茸で土っぽいニュアンスのペアリングを追求してみてください。「茸のすき焼き」や「茸のしぐれ煮」といった、こっくりとした味付けの料理が特にお勧めです。

料理とのペアリングでさらに魅力を開花させるのが、「紫 2021」の素晴らしさのひとつです。今回挙げた料理に限らず、皆さまならではのペアリングを、ぜひ探してみてはいかがでしょうか。

宮石 謙氏(KENJI MIYAISHI)

Kenzo Napa、ケンゾー エステイト ワイナリー 直営店の総料理長。Kenzo Napaでは8年連続でミシュラン1つ星を獲得。旬の食材と真摯に向き合い、ひと皿ひと皿に春夏秋冬の移ろいを描きながら、彩り豊かに仕上げた本格的な懐石料理の数々を提供している。

※2020年のミシュランガイドは、発売中止となりました。

商品ラインナップ

紫 murasaki 2021 (750ml)
¥35,000 (¥38,500税込)

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紫 murasaki 2021 (375ml)
¥17,500 (¥19,250税込)

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紫 murasaki 2021 (750ml) [木箱入り]
¥36,500 (¥40,150税込)

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