INTERVIEW CCO堀口由紀子が名品を徹底解析 「明日香」の真髄INTERVIEW CCO堀口由紀子が名品を徹底解析 「明日香」の真髄

カベルネ・フランのイメージが
きっと変わる。
「明日香 2021」の香りや味わい、
愉しみ方を堀口CCOがご案内

全米で高く評価され、トップ100ワインの1本にも選ばれた「明日香 asuka」。その最新ヴィンテージ「明日香 2021」が2025年2月14日(金)にリリースされます。

ケンゾー エステイトのテロワールなくしては生まれなかった、カベルネ・フランを主体とする「明日香」の中でも、2021年ヴィンテージは例年以上に美しくまとまった逸品へと仕上がりました。「明日香 2021」の香りや味わい、愉しみ方について、ケンゾー エステイトのワインを知り尽くす、ファーストリリースから関わり続ける堀口 由紀子CCO(Chief Customer Officer)がご案内します。

「明日香」が華麗に覆す、カベルネ・フランの先入観

「明日香」はどのようなワインですか?

世界的にも少ない、カベルネ・フランという、ブレンドの補助に使われることの多い品種を主体にした赤ワインです。

カベルネ・フランは、華やかで豊かな香りが特徴であるものの、カベルネ・ソーヴィニヨンほどタンニンがないため、果実味がソフトで、どこか線の細さを感じさせる葡萄品種。成熟が十分でない葡萄ですと、ピーマン香と呼ばれる青い草のような香りが残ります。一方で「明日香」に使われているカベルネ・フランは理想的な完熟を果たし、カベルネ・フランらしい華やかな香りを強く感じ、まろやかで非常に肉厚な味わいに仕上がっています。

その香りの豊かさから、明日へと香る「明日香」と名付けられたワインであること。そしてこの言葉には、清浄な地、神聖な場所という意味合いも含まれており、この葡萄の純粋さをも物語っていることを、ご実感いただけると思います。

「明日香」に使われるカベルネ・フランは、テロワールの影響がかなりあるように感じます。

「明日香」を飲んでいただくと、どこか涼やかさのようなものも感じられると思います。涼やかさとは贅肉が少ない締まった印象で、線が少し細く、冷涼なボルドー産のワインなどによく見られる特徴です。温暖なカリフォルニアでは出にくいタイトな雰囲気を感じさせるのも「明日香」の素晴らしさの一つでしょう。

冒頭でカベルネ・フラン主体の銘柄は世界的に少ないとお伝えしましたが、流通しているカベルネ・フラン主体の有名銘柄でもセパージュは40~50%くらいが多いように感じます。対して「明日香」はいずれのヴィンテージでも75%以上使用しています。そういう意味では希少性がありますし、世界でも「明日香」に近しいワインは見当たりません。「明日香」を飲めば、カベルネ・フランのイメージが変わるでしょう。

堀口CCOは、日々ソムリエや料理人といったプロフェッショナルへワインをご紹介しています。なおさら「明日香」のポテンシャルを感じるお声をお客様からいただくのではないでしょうか?

そうですね。「お鮨には、『明日香』の柔らかさが合う」「グラスに注いだ瞬間に華やかな香りが広がり、香りだけをずっと愉しんでいたい」といったお声を頂戴することが多いです。「明日香」の素晴らしさはプロも認めてくださっていると実感しています。

熟成を経て変化する「明日香」のポテンシャルの高さ

ケンゾー エステイトには、他にも「紫鈴 rindo」「紫 murasaki」「藍 ai」といった赤ワインがあります。違いを教えてください。

カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロなどを使用したボルドーブレンドの「紫鈴」、メルロを主体とする右岸スタイルの「紫」、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体とする左岸スタイルの「藍」は、高貴で引き締まった味わいです。一方で「明日香」は芳醇な酸、よく熟した果実、滑らかなタンニンをより感じ、力強さや華やかさ、温かみがあります。

特に「紫」と「藍」はそうですが、いずれも若い時はアタックの強さを感じます。どの銘柄も抜栓直後から美味しいですが、葡萄の質やブレンド、熟成、醸造等が複合的に絡み合うことで「明日香」は熟成のポテンシャルが高いと感じています。すぐ飲まれるのもいいですが、ご自身のセラーなどで寝かせて味わいの変化を愉しんでいただきたいとも思います。1、2年熟成させると、よりまろやかに変化して抜栓直後にはない顔を見せます。先日、お客様にも「セラーで2年寝かせた『明日香』を開けたら、すごく美味しかった」と報告いただきました。ご購入後、何年かセラーで寝かせて表れる変化に「明日香」の真価があるように個人的には思いますね。

価格が近いこともあり、ケンゾー エステイトの中では「紫鈴」と「明日香」を比べられることも多いです。2つの違いはどこにありますか?

フラッグシップで知名度もありますので、「紫鈴」を選ばれるお客様が多いのは確かです。ただ、長年「紫鈴」ではなく「明日香」を置いてくださるお店もあり、熱心なファンが多い印象です。先ほどもお伝えしたとおり、カベルネ・フランを主体とする希少性と、熟成のポテンシャルの高さは「明日香」の魅力と言えるでしょう。

ぜひ「紫鈴」ファンの方も、カベルネ・フランへの先入観を抜きにして「明日香」を飲んでみてください。きっと「紫鈴」との明確な違いを感じると思います。

通常よりも長い瓶内熟成で、より一体感のある味わいとなった「明日香 2021」

「明日香 2021」をテイスティングした印象を教えてください。

「明日香」を含め、ケンゾー エステイトのワインは適切な期間、瓶内熟成を経てからリリースされます。「明日香 2021」は瓶内での熟成をさらに深めて、まろやかな味わいを追求するため、あえて例年のスケジュールからずらしました。

例年よりも瓶内熟成の時間をとったことで、タンニンや酸が非常によく溶け込み、いつものヴィンテージ以上に一つひとつの要素がまとまった印象です。グラスに顔を近づけますと、カシスジュースのようなみずみずしい香りを感じます。コンフィのような煮詰めた香りではなく、ジューシーな印象です。これが「明日香 2021」の特徴の一つと言えます。

例年のヴィンテージとの違いを、もう少し詳しく教えてください。

たとえば一つ前のヴィンテージである「明日香 2020」は、もっと果実感が凝縮した、濃厚さがありました。一方で「明日香 2021」は、カベルネ・フランの特性であるみずみずしさが、より色濃く出ているように感じます。そのため、例年よりもジャミーではなくジューシーでさらっとした印象です。それは決して軽い飲み口ということではありません。「明日香」の持ち味である華やかな香りやまろやかな味わいに、「明日香 2021」にはジューシーさがより感じられ、例年とは異なるニュアンスを加えている、といった感じでしょうか。

香りや味わいはいかがでしょうか?

スミレなどのフローラルの香り、シナモンなどのスパイスの香りも顔をのぞかせます。ミルクチョコレートの香りがマイルドさ、しなやかさを醸し出し、香りのボリュームはかなり強いです。ですが、口に含むと果実味を感じながらも柔和な酸がバランスよく広がり、繊細さを感じさせます。例年よりドライな飲み口でもありますね。

赤系果実の香りも存分に愉しんでいただきたいので、「明日香 2021」はブルゴーニュグラスで飲んでいただくのもいいでしょう。

夏には「鰻ざく」と。様々なマリアージュを愉しみたい「明日香 2021」

「明日香 2021」はどのようなお料理と相性がいいでしょうか?

ペアリングの幅は大変広くなると思います。焼き鳥、しゃぶしゃぶなど和食はいかがですか? 牛肉や鴨肉でしたらジュのような、比較的軽めのソースが合うでしょう。

夏になるとナパの人たちは「明日香」をよく飲まれます。日本で暑い季節に「明日香 2021」と合わせるには、どのような料理がいいでしょうか?

「明日香 2021」はライトな料理とも相性がいいと思います。鰻に赤ワインをペアリングさせる方は多いですが、よりさっぱりと「鰻ざく」はいかがでしょうか? 鰻ならではの脂ののりも、きゅうりの酢の物の酸味も「明日香 2021」は包みこんでくれるでしょう。

初夏から夏にかけて旬を迎える鮎もいいですね。鮎と野菜を巻いた創作春巻き、鮎のテリーヌなどと合わせるのもおすすめです。

ゆったりと時間をかけて「明日香 2021」と至福の時を

「明日香 2021」のリリースを心待ちにしている「明日香」ファンには、なんと伝えたいですか?

例年以上に「明日香 2021」は香りの変化に富んでいます。じっくり時間をかけて味わっていただきたいので、お一人でゆっくりと、または気の置けない方と共に、1本を時間かけて飲まれるのが理想です。

例年よりもジューシーな味わいのため、合わせる料理も変わってくると思います。季節ごとに今までにないマリアージュに挑戦していただきたいですね。

「明日香 2021」で初めて「明日香」を飲む方には、どういった部分に着目してほしいですか?

「明日香」の魅力は華やかな香りとまろやかな味わいです。まずはそこを感じてみてください。

今すぐに愉しめるのはもちろん、熟成による変化も魅力のひとつ。少し時間を置いた後、さらに長期熟成させたときの味わいの違いもぜひ体験していただきたいです。

これからの1年、「明日香 2021」とともに、さまざまな場面を愉しみましょう。ぜひ期待してください。

堀口 由紀子
(YUKIKO HORIGUCHI)

ケンゾー エステイト ワイナリー ジャパン 株式会社、CCO(Chief Customer Officer)。2008年に入社し、卸レストランや法人・個人への営業活動に従事。シニアワインエキスパート、チーズプロフェッショナル取得。豊富な経験と知識を有し、一流レストランやホテル・旅館からの信頼も厚い。プロ向けテイスティングセミナーも数多く開催。ケンゾー エステイトのワインの魅力を知り尽くすスペシャリスト。

商品ラインナップ

明日香 asuka 2021 (750ml)
¥18,500 (¥20,350税込)

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明日香 asuka 2021 (375ml)
¥9,250 (¥10,175税込)

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明日香 asuka 2021 (750ml) [木箱入り]
¥19,500 (¥21,450税込)

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紫鈴 2021&明日香 2021 フルボトルセット
¥33,500 (¥36,850税込)

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紫鈴 2021&明日香 2021 ハーフボトルセット
¥16,900 (¥18,590税込)

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紫鈴 2021&明日香 2021 フルボトルセット [桐箱入り]
¥34,500 (¥37,950税込)

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明日香 2021&寿々 2021 フルボトルセット
¥37,000 (¥40,700税込)

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明日香 2021&寿々 2021 ハーフボトルセット
¥18,650 (¥20,515税込)

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明日香 2021&結 2023 フルボトルセット
¥27,600 (¥30,360税込)

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紫鈴 2021&紫 2020&藍 2020&明日香 2021 ハーフボトルセット
¥51,100 (¥56,210税込)

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