ケンゾー エステイトの
ファーストリリースを振り返る
ケンゾー エステイトは、ワイナリー開業から今年で14年目を迎えました。しかし、ケンゾー エステイトのワインそのものは、2005年に収穫された葡萄からつくられたものがファースト・ヴィンテージとなり、2008年秋に、日本でデビューを飾ることとなります。
多くのご愛顧をいただき、累計販売数100万本を突破した、ケンゾー エステイトのフラッグシップ「紫鈴」。しかし「紫鈴」が誕生するまでの道のりは、決して平坦なものではなく、多くの困難を乗り越え、ようやくたどり着いたものでした。
100万本という、この大きな節目を迎えた今、「紫鈴」誕生までの軌跡や、多くのゲストに衝撃を与えた帝国ホテルでのリリースイベントを振り返っていきます。
すべての始まりは日本から。日比谷、帝国ホテルで物語の幕が上がる
舞台となったのは、東京日比谷にある帝国ホテル。その最も大きな宴会場とされる孔雀の間で、ケンゾー エステイトのファーストリリースを披露するディナーイベントが大々的に催されました。会場を埋め尽くしたのは、約400名のゲスト。その大半が、エンターティンメント産業の旗手として業界を牽引していたカプコンの創業者兼CEOである辻本憲三が、ナパ・ヴァレーでワイナリーを開業したというニュースを聞いて、興味を持ち、会場を訪れていたのです。
しかし、おそらくそのゲストの多くが、カプコンの成功で財を成した辻本が、ある種の道楽でワイナリービジネスを始めたのだろうとでも思いながら、会場に集まってきたことでしょう。しかし、そんな浅はかな想像は、このとんでもないディナーイベントが始まった途端、ゲストの脳裏から紙吹雪のごとく吹き飛んでいったのでした。
15年の苦難を乗り越え、世に送り出されたワイン
ファーストリリースのイベント当日、帝国ホテル孔雀の間のホワイエに陳列されたのは、「紫鈴 rindo」と「紫 murasaki」、「藍 ai」の3種類の赤ワイン。フルボトルはもちろん、マグナムやジェロボアム などの大きなボトルまでもが並べられ、記念すべきデビューの場に相応しく、華々しいディスプレイが、来場者の視線を釘付けにしていました。
そして、イベントの開会。冒頭に挨拶を述べたのは、もちろん辻本憲三その人です。大勢のゲストで埋め尽くされた満席の会場を見渡しながら、この時、辻本は何を思ったのでしょうか。
1990年代から、ワイナリーの開業を目指し、自力で、ナパ・ヴァレー南東部の山岳地帯に広がる手つかずの荒野を一から切り拓き、畑を開墾。1998年、一度は14万本もの葡萄樹が植わるまでの畑を整え、そこから収穫された葡萄でワインをつくるまでにも至っていました。
しかし、その土壌は、決していい状態にあったわけではありませんでした。地中に、様々な石が埋まっていて、葡萄の根が健全に生育していくのを妨げていたことを、辻本は知るのです。その結果、生産されたワインは市場に出て日の目を浴びることはありませんでした。
辻本は、畑の問題点を指摘した栽培家デイビッド・アブリューの提案に従って、14万本もの葡萄樹をすべて抜き取って、畑の土を掘り返していきました。そして、地中に埋まっていた大小数々の石を取り除き、土壌をさらさらな状態に整備し直していったのです。それはまさに、ゼロからの再出発でした。その後も、新たな土壌の地慣らしを行い、何度か葡萄樹の試験栽培を繰り返して、ようやく2005年に初収穫の日を迎えたのです。
振り返ってみれば、辻本が、こうして帝国ホテルの舞台に立ち、ケンゾー エステイトのワインを始めて披露するまでには、すでに15年以上もの歳月が流れていました。それだけに、このときばかりは、辻本の胸にも熱いものが込み上げていたに違いないでしょう。
世界の名だたるワインとともに振る舞われた「紫鈴」、「紫」、「藍」
今でこそ、11種もの銘柄をつくり上げてきたことを誇れるようになったわけですが、帝国ホテルでデビューを飾った当時、ケンゾー エステイトから発表されたワインは、たったの3銘柄しかありませんでした。前述したフラッグシップの「紫鈴」と、ふたつのトップ・キュベ「紫」、「藍」です。
この時リリースされたのは、2005年のファースト・ヴィンテージ。メインとなる「紫鈴」でも2,400本ほどしか生産されておらず、「紫」や「藍」に至っては、数百本単位のわずかな生産本数でした。あくまでテストマーケティングとしての生産だったのですが、そのテストマーケティングが驚きの成果を出していくこととなります。
ファーストリリースのイベント会場では、各テーブルで、ナパの名門カルトワインやフランスの五大シャトーなど、世界の名だたるワインが、ケンゾー エステイトのワインとともに振舞われていきました。
「紫鈴」には、「オーパスワン」や「シャトー・ラフィット・ロートシルト」が、さらに「紫」には、「ハーラン エステイト」や「シャトー・オー・ブリオン」が、「藍」には、「スクリーミング イーグル」や「シャトー・マルゴー」が合わせて振舞われたのです。これらのワインは、すべて、辻本のプライベートセラーから用意されたもので、入手困難な超一流ワインを一挙に味わえる機会など、そうはないだけに、来場していたゲストは、皆ざわめきました。この贅沢の極みとも言えるワインテイスティングに、驚きを隠すことができなかったのです。
しかし、ゲストにとって、この時、ドラマはまだ序章に過ぎませんでした。本当のサプライズがそこから始まったのです。これらのダブル&トリプルテイスティングによる飲み比べによって、ゲストは、初めて味わうケンゾー エステイトのワインのポテンシャルの高さに気付き、会場の其処かしこで、感嘆の声が響いていきました。何十万もするような世界の一流ワインと飲み比べてみても、ケンゾー エステイトのワインは遜色がないどころか、はるかに勝っていると感じるゲストが大半を占めていったのです。
即日完売となったファーストリリース
その結果、ファーストリリースの販売は、事実上、この日のイベントだけで終了してしまいました。ケンゾー エステイトのワインを気に入った多くのお客様が、木箱で用意されたワインのセットを予約購入し、すぐに完売となってしまったからです。
ちなみに、当日用意されたのは、「紫鈴」4本を収めた木箱と、「紫」と「藍」を1本ずつ風呂敷で包み、詰め合わせた木箱をセットにしたもの。風呂敷のアイデアは、夏子夫人の発案によるものでした。この木箱セットを何セットも購入されていくゲストが後を絶たなかったのです。
このイベントの成功によって、2005年ヴィンテージの販売は、事実上たった一日で終了し、その後、日本では、ケンゾー エステイトの日本法人が立ち上がり、本格的にマーケティング体制の準備が進められました。その後、急速に発展を続けながら、おかげさまで、「紫鈴」は、多くのお客様に愛され続け、今年100万本の販売を達成することとなったのです。
その他の「紫鈴」特別コンテンツ
episode Ⅰ
ケンゾー エステイトのファーストリリースを振り返る
episode Ⅱ
ミシュランシェフこだわりの、「紫鈴」と和食、至高のマリアージュ
episode Ⅳ
テロワールの多様性を表現。ワインメーカーが込めた「紫鈴」へのこだわり
episode Ⅴ
ウルフギャング・ステーキハウスと「紫鈴」が生み出す、非日常空間
episode Ⅵ
信念が実った一夜、嫋やかなロイヤルダンスの記憶
商品ラインナップ
ファーストリリースで披露された、3種の赤ワインをセットでご用意。
ケンゾー エステイト、始まりの赤ワインをお愉しみください。
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紫鈴 2021&藍 2019&紫 2019 フルボトルセット
¥79,900 (¥87,890税込) - 購入する
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紫鈴 2021&藍 2019&紫 2019 ハーフボトルセット
¥40,250 (¥44,275税込) - 購入する
終始天候に恵まれた
グレートヴィンテージ、2021年。
素晴らしいポテンシャルを持つ、
最新ヴィンテージをご堪能ください。
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紫鈴 rindo 2021 (750ml)
¥14,500 (¥15,950税込) - 購入する
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紫鈴 rindo 2021 (375ml)
¥7,250 (¥7,975税込) - 購入する
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紫鈴 rindo 2021 (750ml) [木箱入り]
¥15,500 (¥17,050税込) - 購入する
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紫鈴 2021 ハーフボトル4本セット
¥29,600 (¥32,560税込) - 購入する
ナパのカベルネ・ソーヴィニヨン、
ヴィンテージ・オブ・ザ・イヤーの評価、
2020年との飲み比べはいかかでしょう。