ケンゾー エステイトCEO 辻本 夏子に聞いた「紫」の魅力

ケンゾー エステイトのトップ・キュヴェ「紫」
その柔らかさに秘められた魅力とは

メルロを主体としたボルドー右岸スタイルのワインとして高く評価され、米国のトップ100ワインに選出されるなど注目を集めている「紫」。その魅力や名前の由来について、名付け親であるケンゾー エステイトのCEO辻本夏子に聞きました。

⸺ケンゾー エステイトのワイン名はご自身で考案されていると伺いました。いったいどのようにして決めていらっしゃるのでしょうか?
そもそも新しいワインができると、まずは、ワイナリーのケイブの樽から直接試飲し、その香りや味わいから思いつくインスピレーションを大切にして、名前を考えています。ただ、大半の場合は、すぐに決めてしまうわけではなく、ゆっくりとワインを熟成させるかのように、自分の発想を寝かせておきます。そうしていくと、最初の発想からまた新たな考えが生まれてくるのです。
ケンゾー エステイト ワイナリーのケイブ
⸺貴重な裏話ですね。今回のテーマである「紫」の名前はどのようにして生まれたのでしょうか?
私は以前から、江戸の浮世絵師、喜多川歌麿に関心を持っていました。紫色がとても好きだからです。歌麿は、通称“紫屋”と呼ばれるほど、紫の色使いに長けていた浮世絵師で、彼が手がけた様々な美人画には、菫(すみれ)、菖蒲、葡萄、小豆など、微妙に彩りを変える様々な紫が使い分けられています。その色使いによって、繊細な表情が浮かび上がり、一枚の絵に息吹が宿っていくように思え、どこか私共の葡萄づくりにも共通する感覚を覚えたのです。また、「紫」は古くから高貴な色として扱われ、さらに言えば、古今和歌集の中で、縁の色とも歌われています。上質で繊細なワインを世に出していくことで人と人とを紡いでいきたいと思っていた私にとって、そんな「紫」という言葉は、とても響きの良いものだったのです。
⸺夏子会長が考える「紫」の魅力について教えてください。
「紫」は香りや味わいに柔らかさがあり、ボトルも丸みを帯びたシルエットをしています。 とはいえ、その柔らかさの中には、凛とした骨格があり、果実味や酸もしっかりと感じられ、嫋やかな余韻をもたらしてくれます。そういうところがとても魅力的なんじゃないでしょうか。
全米のトップ100ワインの1本にも選ばれた「紫 murasaki」
⸺「紫」には特にどのようなお食事が合うとお考えですか?
関西では炊き込みご飯のことを「色ごはん」と呼んでいるのですが、その色ごはんの上に穴子の白焼きを乗せて、「紫」といただいてみて下さい。私は、とても相性の良さを感じます。また、お肉だったら鴨がよく合うんじゃないでしょうか。冬場でしたら鴨鍋と合わせるのもおすすめです。
⸺穴子を乗せた色ごはん、聞いているだけで美味しそうですね。ぜひやってみたいです。
最後に、「紫2018」をはじめ、赤ワインの最新ヴィンテージの出来を教えてください
非常に素晴らしい出来です。2018年と2019年は、ナパ・ヴァレーにおいて歴史の残る良年だと言われています。そんな中、ケンゾー エステイトの葡萄樹は、2002年に14万本を植え替えてから20年が経ち、すっかり成木になっており、年を重ねる度に、どんどんよくなっています。最新ヴィンテージの「紫2018」は、ファースト・ヴィンテージから数えるケンゾー エステイトの13年の歴史の中でも最高峰と呼べる秀逸な1本になったと確信しております。ぜひ、ひとりでも多くの皆様に、このワインを愉しんでいただければ幸いです。

辻本夏子

辻本憲三とともに、日米でのワイナリービジネスにて指揮を執っているケンゾー エステイトのCEO。日本の言葉を生かした個性的なワインのネーミングや直営店の内装デザインにも自ら関与し、その豊かな感性で、ブランドのプロデューサーとしても重責を担っている。

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