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メルロの可能性を最大限に引き出した傑作
2017年は、好天が続き猛暑日も多い中、通常より海風が強く吹き流れ、
海抜の高いケンゾー エステイトでは昼夜の寒暖差が例年以上に広がり、
葡萄栽培にも予期せぬ効果をもたらしました。
従って、「紫」の2017ヴィンテージは、このワインが、ケンゾー エステイトを代表するトップキュベであることを、改めて実感させてくれる、稀代の傑作となりました。砕いた鉱物のような香味を連想させる豊かなミネラル感が漂い、それをブラックチェリーやシナモン、スパイスといったダークトーンな香りが複層的に補っていきます。この2017ヴィンテージでは、ケンゾー エステイトのテロワールで育まれたメルロの可能性が最大限に引き出されたと言えましょう。それだけに、最初のひと口で明確に感じ取れるのは、このブレンドワインの輪郭を描いているメルロの基盤を成す、嫋やかで魅惑的なタンニンです。
そこに、あざやかな酸がよく馴染み、ヴェルベットのようにしなやかなタンニン全体に骨格を与え、独特の個性を生み出すのに功を奏しています。
早々に抜栓しても十分に美味しく味わえるワインですが、この「紫2017」は、長い年月をかけて熟成させることによって、徐々に本当の個性を見出していける長期熟成型のワインです。